PTAはなぜ毎年同じ失敗を繰り返すのか?
この記事の対象者
- 「無駄が多い」と感じながらも、前例踏襲から抜け出せないPTA役員の方
- 改革を提案したいが、周囲の反応や組織の慣性に不安を感じている方
- 現代の共働き世帯や少子化に合ったPTA運営のあり方を模索している方
この記事でわかる事
- PTAが「昭和のモデル」のまま停滞し、変革が進まない根本的な要因
- マネジメント経験の不足や「批判を避けたい心理」が運営に与える影響
- 非効率な現状を打破するために必要なリーダーシップとIT活用の視点
PTA活動の現場で、誰もが直面する課題の一つが、「前例踏襲」。
不合理だとか不効率だとか、そういったことに目を向けることなく(時には敢えて目をつぶり)何も考えることなく、今までこうしてきたからこうやってます、という訳です。
もちろん、ちょっとした改善は進んでいるのですが大きな変革は見られず、周囲からは「いまどき、どうしてあんな無駄な事を?」と思われてしまっています。
僕自身も、15年近くPTA本部役員を 務めてきた経験から、それを痛烈に実感しています。
PTAがこれだけ非効率と言われながらもあまり改善されること無く前例踏襲を続けるのは何故なのでしょうか?
この変革が進まない大きな一つの要因は、役員のマネジメント経験不足にあるのだと考えます。
マネジメント経験の欠如

PTA役員は、その構成メンバーが多様な職業の保護者で構成されます。
主婦はもち ろんのこと、会社員、フリーランスなど、それぞれの立場や経験によってスキルセッ トは大きく異なります。
多くの場合、主力メンバーである女性陣はパート・アルバイ トでの労働経験しかなく、組織運営の経験を持つ人材が少ないのが現状です。
多くの場合、役員は前任者から引き継がれた過去の業務をこなすことに終始し、 長期的な視点での改善策を考える余裕がないのです。
「去年こうやってたから」とい う理由で、変化を避ける傾向が強く見受けられます。まるで去年がお手本で、その通りに再現することが自分の役割と考えているかのような状況です。
当事者意識と社会構造の変化
PTA活動への参加意識が薄れる要因として、多忙な保護者の増加が挙げられます。
仕事と家庭の両立に追われる中、PTAの会議やイベントに参加すること自体が大きな 負担となり、結果として活動への関与が薄れてしまいます。
保護者同士のつながりが 希薄になっていることも、改善への意識を低下させる要因となります。
そして役員は今、目の前にある 自らの役割を無難に果たすことに終始してしまい、別のやり方を考えるなんて思いも しなくなってしまうのです。
共働き家庭の増加
近年、共働き世帯やシングルペアレント家庭の増加が顕著です。
このような家庭 環境では、親たちが仕事と家庭の両立に追われ、PTA活動への参加が難しくなってい ます。
会議やイベントへの参加は、仕事のスケジュールを調整しなければならないた め、欠席するほかない状況が生じます。
絶対的な数の減少
少子化の影響もPTAの運営に深刻な影響を与えています。
子どもが減少し、当然PTAの 会員数自体も減少しているのです。
この点、高校だと、定員が決まっていて人数自体 は長らく変わっていないということもあるでしょうが、公立の小中学校について言え ば、ごく一部の新興住宅街を除けば、児童数が30年前の半分以下、1/3以下というの がごく普通の状況です。
さらに、共働き世帯の増加やシングルペアレント家庭の増加、そして親の介護に 苦労している人も少なくありません。
役員業務を引き受けられる担い手がますます少 なくなっているのが現状です。
現在のPTAの原型は昭和時代に作られました。
午前中 に朝食の片付け、掃除洗濯を終えると午後はメロドラマを見て夕方にスーパーへ買い 物、、、そのような、日中はヒマなお母さんが沢山いた時代に形成されたのです。
私が小学生の 頃には「亭主元気で留守がいい」という流行語もあったように、家庭環境が大きく異 なっていました。そんな時代に作られたPTAですから、現代の状況に合わせて見直す必要があります。
役員の負担が一部の保護者に偏り、現状を維持するのが精一杯という状況が続いていま す。
役員が限られた人数で運営を行う中で、特定の保護者に多くの業務が集中するこ とは避けられません。
これにより、役員の負担が重くなり、活動への意欲が削 がれてしまうのです。
さらに、役員を引き受けたくない保護者が増えることで、役員1人1人の負担が増し、次の役 員を選出すること自体が困難になる、という悪循環が生まれています。
慣性と心理的要因
組織文化の慣性
あなたの学校のPTAでも「前からこうやってきた」という理由だけで続いている謎 の慣習があるはずです。例えばベルマーク集めをなぜやっているのか、なぜ毎月1回、空き缶つぶしをやっているのか
その慣習を繰り返すことが目的化しており、何のためにやっ ているのかわからないまま、役員やメンバーが中止や新しい提案・改善策を提案する ことすらなくなっていることもあります。
特に、長年役員を続けているベテラン(通称ボスママ)がいる場合、過去の成功体験が強く意識さ れ、新たな試みを拒絶することも珍しくありません。
私が小学校の本部役員に関わり始めたころ、そんなボスママがいました。
口では「意見があれば言ってくれ」というものの、本人は何も変える気が無く、何を提案しても却下されたのを覚えています。
この慣性は、非効率なプロセス や運営方法がそのまま続く原因となり、改革を進めるための障壁となります。
組織の中で変化を恐れる空気が漂うことで、メンバーが意見を言い出しにくくな り、さらなる停滞を招くことになります。
その意味でも、守るべきは守る、変えるべきは変える、リーダーにはそんな考えが必須です。
批判を避けたい心理
また、改革を提案することが「面倒なことを増やす」と見なされることも大きな 問題です。
PTAの活動はボランティアベースで行われているわけで、役員やメンバーは仕事を調整し、自分 の時間を割いて活動に参加しています。
そのため、たとえ長い目でみれば省力化になるとしても新し い方法を検討すること自体が新たな負担を生む可能性があると感じると、現状維持を 選択する心理が強く働きます。
要するに、考えるのが面倒くさいから今まで通りでいいや、という訳です。
スキル不足
種々の理由が重なって、ムダだの時代遅れだのと批判されながら、当の役員たち も何となく気づきながら変わらない不効率運営がまかり通っている現実があります。
最近の技術進歩により、AIやプログラミングを活用することで、運営の効率化や 合理化が劇的に進む余地は多分にあります。
しかし、各PTAにはそれぞれの個別事情 があるわけで、これらのテクノロジーを効果的に活用するためには各PTAの実情にあわせた カスタマイズが避けられません。
しかし、多くの役員はPCやITに明るくないことが多いし、詳しい人がいても仕事にSNSにYoutubeにと、 多くのことに追われており、最新のテクノロジーやツールについて学ぶ時間や余裕がなく、新たなツールや仕組みの導入が進まないの です。
この状況を打破するためには、リーダーシップとAIやITの知識をもって変革に取 り組む本部役員が現れるのを待つしかないのかもしれません。
行列のできるPTAはそのお手伝いをします。
だからあなたに是非その役 割を担ってほしいと思います。