PTA会長は2人でもいい?役員不足を解消 する「共同会長制」のメリットと成功の秘訣 とは?

【実録】PTA会長を「2名体制」にしてみた結果。役職不足を解消する新しい秘策になるか?

PTA会長って1人じゃなきゃダメですか?

PTA会長が2人いればPTA運営はスムーズになる
PTA会長が2人いればPTA運営はスムーズになる

「立候補者がいない」「沈黙が続く」……。役員決めは、多くの 保護者にとって最も気が重い時間かもしれません。特に「会長」 や「委員長」という役職は、責任の重さや拘束時間の長さから敬 遠されがちです。

実際、役員決め・委員長決めの場では、誰もが視線を合わせないようにうつ むき、重苦しい沈黙が流れる……そんな状況が珍しくありません。

「遠いから」「仕事があるから」「小さい子がいるから」「介護があるから」逆に「ヤル気満々と思われたくない」——

理由 はさまざまですが、根底にあるのは「一人ですべてを背負う恐怖」ではないでしょう か。

会長委員長は各メンバーへの連絡、学校 との窓口、地域との連携、保護者への説明、トラブル対応など、想像以上に多岐にわ たる業務を担います。

しかも前例や引き継ぎが不十分な場合、すべてを手探りで進め なければなりません。

さらに現代の保護者は、共働き世帯が増え、時間的・精神的な 余裕がますます少なくなっています。そんな中で「会長を引き受 けてください」と言われても、誰もが二の足を踏むのは当然のことなのかもしれません。

結果とし て、くじ引きや押し付け合いになり、引き受けた人は不本意なが ら一年間を過ごすことになる——

こんな悪循環が、全国のPTAで起き ているのではないでしょうか。

そこで私たちの学校では、「会長2名体制共同会長制)」にするという新しい試みを行っています。その結果、思いのほかスムーズに運営が回り始めたのです。

立候補者も現れ、役員決め・委員長決めの雰囲気も一変しました。

もっとも、それなりにメジャーなやり方ではあるようです。

この記事では、その実体験をもとに、共同会長制のメリットと成功のポイントをお伝え します。

なぜ「会長2名体制」で成功したのか? 3つのメリット

「会計さんsmartPTA」の開発者、共同会長制度による成功と安堵の表情。PTA会  計の負担軽減と精神的な余裕の獲得を表現。(The developer of 'smartPTA'   expresses relief and success through the co-chair system, depicting a   reduction in PTA accounting burdens and the acquisition of mental   ease.)」

1. 心理的ハードルが劇的に下がる

「自分一人ですべてを背負わなくていい」という安心感は絶大です。代わってもらえる相手が常に横にいることで、孤独な決断を迫られるストレスが解消されました。

PTA会長の最大の負担は、実は「業務量」だけではありませ ん。むしろ「判断の連続」と「孤独感」が精神的に大きな重圧となります。

たとえ ば、学校側から急な相談があったとき、前例のない問題が起きたとき、保護者から苦 情が寄せられたとき——

こうした場面で、一人で即座に判断を下さなければならないプ レッシャーは計り知れません。

しかし2名体制なら、「ちょっと相談していい?」と、その場で意見を交わすこと ができます。

二人で考えることで視野が広がり、より良い判断ができるだけでなく、 「一緒に決めた」という安心感が得られます。

本部内で役職を決めるにあたり、書記や会計・副会長が決まり、残った内から誰 か一人が背負わなきゃ、、、という状況で、だったら「二人で分担するのはどぉ?」という所から共同会長制度が誕生しました。

1人で背負うという心理 的ハードルが下がることで、立候補しやすくなるのです。

2. 「得意分野」で役割分担ができる

2人いれば、それぞれの強みを活かせます。私の場合はこのような役割分担になっています。

  • Mちゃん:人前で話すことや、学校・地域との折衝を担当。コ ミュニケーション力に長けており、保護者説明会や地域行事での挨拶、学校側との調 整を主に担当しました。
  • :資料作成や、内部の事務連絡を徹底サポート。PCスキル があり、議事録作成、メール配信、アンケート集計などの裏方業務を一手に引き受け ました。

このように分担することで、1人あたりの負担は半分以下になります。

会長一人体制では、得意・不得意に関わらず、すべてを一人で こなさなければなりませんでした。

人前で話すのが苦手な人も挨拶をし、PCが苦手な 人も資料を作らなければならない——

これでは効率も悪く、本人も疲弊してしまいま す。

しかし2名体制なら、「外向きの仕事」と「内向きの仕事」を明確に分け、それぞ れの得意分野に集中できます。

結果として、業務のクオリティも上がり、会 長自身の満足度も高まりました。さらに、「自分の得意なことで貢献でき る」という実感が、やりがいにもつながるのです。

実際、業務量には偏りがありますが、その分、「Mちゃん、ア レお願いね」と言いやすいし、そもそもPC作業は苦ではないから不満は無いのです。 この共同体制による柔軟性は、持続可能な運営を支える鍵となりえると思ってい ます。

3. 「バックアップ」がある安心感

仕事や急な家庭の事情で、どうしても外せない行事に出られないこともありま す。2名体制なら、どちらかがカバーできるため、「絶対に穴を開けられない」とい うプレッシャーから解放されました。

たとえば、ある日、Aさんの子どもが急に高熱を出し、学校行事に出席できなくな った、そんなこともあるでしょう。

従来なら、会長不在で混乱が 生じたり、あるいは無理をして出席したりする必要があります。

でも、2名体制では、Bさんが 代わりに出席し、事後にAさんへ報告することで、何の問題もなく乗り切ることがで きます。

この「バックアップがある」という安心感は、精神的な余裕を生み出します。

子どもの学校行事や仕事の繁忙期、家族の介護など、生活には予測不可能な事態がつき ものです。

そんなとき、「代わりがいてくれる」と思えるのは精神衛生上、非常にプ ラスに働くでしょう。

注意点

PTAの委員会の混乱した状況に絶望する様子。共同会長や委員の多さが問題を引  き起こしている様子を表している。

会則の変更

通常、PTAの会則で会長を1名と明記していることが多いので、 「1-2名」にするという事務手続きは必要です。大抵はPTA総会で 変更することになるでしょう。

多すぎても困る

共同会長にならって、当校PTAの某委員会で は委員長4人という状態が生まれてしまいました。しかし、これは明らかに多すぎです。
「船頭多くして船山に上る」。4人もいれば、結局、何もしない人も出てくるし、無駄に意思疎通もしづらいで す。
実際のところ、1/4の負担になるつもりが、1人がほぼ全部を引き受ける羽目になっていました(とはいえ、一般に本部役員よりは軽いと思いますが)。

まとめ:PTAはもっと持続可能になれる

「PTA役員は誰もやりたくない…!」という諦め顔の男が、書類の山の崩落に絶  望する様子。改革を促すPTAの現状打破を象徴する一枚。

これまでの「1人のリーダーが引っ張るPTA」から、「みんなで支え合う PTA」へ。

会長2名体制は、役員不足に悩む多くの PTAにとって非常に有効な選択肢です。

もし「誰もやりたがらない」と行き詰まっているのなら、枠組みそのものを変え てみるのはいかがでしょうか?

PTA活動は、本来「子どもたちのため」に行うものです。しかし、保護 者が疲弊し、不満を抱えながら続けるのでは本末転倒です。

持続可能で、 前向きに取り組める仕組みを作ることこそが、結果的に子どもたちの学校生活を豊か にすることにつながります。

共同会長制は、その第一歩になり得ます。もちろん、すべてのPTAに当 てはまる万能策ではありませんが、「そもそもルール自体を変えてもいいんだ」という意識改革のきっかけにはなるはずです。

「やってみたら意外に楽しかった」多くの役員がそう言って巣立っていきます。

「誰かがやらなければならない」という義務感ではなく、役割分担により「自分 にもできることがある」という前向きな参加意識が生まれる——そんな PTAを、ぜひ一緒に作っていきましょう。