この記事の対象者
- 「この支出はPTA会費から出していいの?」と疑問を感じている役員の方
- 本来自治体が負担すべき「公費」と、PTAが担うべき「私費」の区別を知りたい方
- 慣例化した不適切な支出を見直し、健全な予算編成を行いたい方
この記事でわかる事
- 公立学校における公費・私費の法的な境界線と判断基準
- 組織運営費や事業費として適切な例と、避けるべき不適切支出の具体例
- 学校側や教育委員会と冷静に協議を進めるためのスタンスと手順
PTA会費の適切な使い道と公費・私費の境界線を事例と判断基準でわかりやすく 解説
PTA役員を務める中で、「この支出、本当に会費から出していいの?」と迷った経 験はありませんか?
実は、多くのPTAが「慣例だから」という理由で、本来は公費(税金)で賄うべき学 校運営費を会費で補填している例が大なり小なりありまして、それが長期的には学校間格差や保護者負担の不公平を生んでいます。
本記事では、PTA会費の適切な使い道と、公費・私費の明確な境界線を、実際の 事例と判断基準とともに解説します。
重要:PTAでお金の使い道が問題になるのは大前提として公立学校PTAの話です。私立学校の実体は教育をテーマにした営利(カネ儲け)目的の企業ですので、PTA会費をぼったくろうが、学校のエアコン代になろうが、教員のどんちゃん騒ぎ代になろうが、法律上も道義上も、全く差し支えなく、なんの問題も生じません。←アンチ私立としての偏見が混じっています(*^_^*)
他方、公立学校の場合、設備は地方自治体の所有物、教員は地方公務員です。教育環境を整えるのは自治体の義務であり、保護者から経済援助に頼るなどあってはいかん!という前提があるのでPTAの資金使途が問題となるわけです。
ちゃんと法的根拠を示しておきます。
地方財政法第27条の 4 第 1 項「市町村は,法令の規定に基づき当該 市町村の負担に属するものとされている経費で政令で定めるものについ て,住民に対し,直接であると間接であるとを問わず,その負担を転嫁し てはならない」
要するに、学校で負担すべきお金をPTAに負担させるな、という決まりです。
PTA会費の使い道を考える前に知るべき公費と私費の境界線
義務教育の無償と公立学校運営費の基本
義務教育は授業料無償が原則で、公立学校の運営費(教職員人件費や光熱費、校 舎の修繕など)は自治体の公費で賄う決まりです。まず「税金で払うべき範囲」を理 解することが大切です。
学校が負担すべき公費と保護者の私費の違い
公費は学校運営に必要な基本的な費用、私費は家庭ごとの希望による費用やサー ビスにあてるお金です。PTA会費は公立学校の運営費の不足分ではなく、保護者と教 職員の自主的な活動を支える私費と考えます。
PTA会費で公費を補填してしまうリスク
教室のエアコン設置やトイレ修理など、本来は学校や自治体が負担すべき費用を PTA会費で肩代わりする例が報道されております。これは明らかに自治体の違法行為なのですが、心優しい?PTAと理解の浅い校長が意図せずタッグを組んで違法状態を続けてきたという面があります。
教育委員会や自治体の公費・私費区分ガイドライン
多くの教育委員会は、公費と私費、学校徴収金の区分ルールを文書で示していま す。PTA支出を決める前に、自治体や学校のガイドラインを確認し、あいまいな点は 教育委員会に相談することが重要です。
しかしながら、教育委員会にもわかってないおっさんがいたり、一部にはまだPTAを財布と思っている校長がいて、骨抜きにされてしまっているわけです。詳しく知りたいマニアの方は PTAの寄付は強制?「真摯な同意」の裏 にある学校側の”おねだり”の実態とは? をご覧下さい。
学校寄付とPTA会費の違いとルール
学校への寄付金は、寄付者の自発的意思と目的がはっきりしている必要がありま す。PTA会費は会則に基づく会員の共通財産であり、学校寄付に回すときは総会での 承認や使途の明確化が欠かせません。
同時に、学校は管轄の教育委員会に了解を得てから寄付を受領するのが大原則です。
なのですが、PTAを財布と思っている校長にとっては「そんなこと知らん」ということになっています。
PTA会費の適切な使い道と不適切支出の具体例
PTA会費で支出してよい組織運営費の例
総会や役員会の印刷費、PTA広報紙の発行費、ボランティア保険料などは、組織運 営のための適切な支出です。会員全体の活動に必要な最低限の経費として、予算に明 確に計上しましょう。
PTAによっては、本部役員や委員に報酬を支払っている場合もありますが、問題がある行為だということは自覚しましょう。
子どもと保護者のための事業費として適切な使い道
親子イベント、講演会、保護者向け研修会、地域清掃など、PTAの目的に合う事業 費は会費の良い使い道です。参加者負担金を一部組み合わせながら、過度な赤字にな らないように計画します。
逆にお祭りやバザーの出店で利益が出た場合の扱いは PTA行事と税金の扱い を理解しておきましょう。
慶弔費や卒業記念品などよくある支出の考え方
卒業記念品やアルバム補助、会員の慶弔費は、対象や金額があいまいだとトラブ ルになりやすい支出です。誰にいくらまで出すかを規約や内規に書き、PTA受益者負 担の考えもふまえて見直すことが必要です。
公費で賄うべき学校管理費・教職員関連費の不適切支出例
学校の水道光熱費、備品の購入、教職員の出張旅費や歓送迎会費などは、PTA会費 から出すべきではない不適切支出例です。公費で賄うべき学校管理費をPTAが負担し ないよう、線引きをはっきりさせます。
行事差し入れや部活動支援などグレーゾーンの整理
運動会の来賓用お茶菓子や全国大会出場チームへの差し入れなどは、慣例で続い ているグレーゾーンです。金額を小さくする、一部を寄付で集める、会員アンケート で継続可否を決めるなど、段階的な見直しが有効です。
迷いやすいPTA会費の使い道を判断する3つの基準
PTAの目的と規約に合っているかを確認する
支出を決める前に、「PTAの目的(子どもの健全育成と学校・家庭の連携)」に合 っているかを確認します。規約や細則に書かれた事業内容と比べ、ずれている支出は 見直し候補と考えましょう。
受益者負担の原則からPTA支出をチェックする
特定の部活動や一部の学年だけが利益を受ける支出は、PTA会費ではなく受益者負 担(参加者が自分で払う)にするのが基本です。会員全体に還元されるかどうかを、 判断の出発点にすると迷いにくくなります。
自発性・透明性を高める会計報告と総会の運営
なし崩し的な支出を防ぐには、予算案を事前に配布し、総会で会員の意見を聞く ことが重要です。決算報告もわかりやすい書式で公開し、不明点にはすぐ説明できる ようにして、透明性と信頼を高めます。
PTA会費の見直し手順と予算編成のポイント
過去の決算を分析し、不適切支出や利用されていない事業を洗い出します。その うえで、優先したい活動にお金を回し、必要なら会費額や積立金のあり方を段階的に 調整する予算編成を行います。
学校側と話し合うときの基本スタンスと注意点
公費・私費の境界線に関わる問題は、学校や教育委員会と冷静に協議することが 大切です。感情的にならず、資料やガイドラインを示しながら、「子どもと家庭の負 担を適正にしたい」という共通目標を伝えます。
PTA改革を進めるために、ぜひ他の記事もご参照ください
PTA会費の使い道を見直すことは、単なる節約ではなく、子どもたちの未来と公平 な教育環境を守る第一歩です。 本記事で紹介した判断基準を活用し、健全で持続可能なPTA運営を目指しましょう。
さらに、PTAの効率化・健全化を進めるためのヒントとして、当ブログの他の記事 もぜひご参照ください。 「PTA会計DX入門」「PTA会計管理と不正防止の基本」「繰越金と学校寄付の実務」な ど、現場で即役立つ情報が満載です。
PTAが「負担」ではなく「子どもたちの成長を支える信頼される活動」になるよう、私たちと一緒に改革を進めていきましょう。