フリマでベルマークを買う?この理解しがたい異常事態は歪んだPTAの産物だった
この記事の対象者
- ベルマーク作業をどうにかしたいPTA役員・保護者
- 合理的な改革案を探している方
この記事でわかる事
- フリマアプリでベルマークが割高売買される裏事情
- 「児童の学び」へ転換する、持続可能な活動の再設計案
フリマアプリで見つけた奇妙な商品の正体は??
まったく偶然なのだが、メルカリでベルマークが販売されているのを見 つけた。
「メーカー別小分け済み」「PTA提出用に即対応」といった文言とともに、 きれいに仕分けられたベルマークが出品されているのだ。
調べると、ヤフオクにもラクマにも沢山あ る。
私の場合、お菓子やジュールのラベルにベルマークを見つけるとこまめに切り取ってたっめておくのが習慣になってしまっている。
だがしかし、ベルマークは世間の多くの人にとっては、パッケージに印刷された模様に過ぎないから、捨てられるのが普通だ。
私の場合は小学生時代に、母親が「ベルマークがついとるからこっちを買おう」と言ってるのをよく耳にした。
実を言えば、私はその習慣がなんとなく残っていたりする。
2種類の商品、どっちにしようかと悩んでベルマークがあるほうにしよう、なんて行動をとる人はごく一部のPTAに関わる人を除けば、さほど多くはないだろう。
さて、売られているベルマークに話を戻すのだが、基本、個人が集めた所で使い道はないので、恐らくPTAに関わる人が購入しているのだろうと推測することは難しくない。
しかし驚くべきは、その価格設定である。
ベルマークは本来「1点=1円」の換 算である。
普通の人にとっては何の価値もない”ゴミ”なのだから、「1000点を300円で」というなら納得もいく(PTAの経費で買うのはアリだろう)。
ここで浮かんだ疑問は二つ。
「なぜベルマークを買う人がいるのか?」
「 なぜこんな割高な価格設定が成り立つのか?」
PTA本部役員を10年以上続けてきた私にも、ちんぷんかんぷんだった。
集めて 学校にもっていくところまでは小学生時代から自分でも長らくやってきたが、その先、ベルマ―クがどのように商品に替わるのかは未知の世界だ った。
そして改めて調べ、考えたのが今回の記事である。
ベルマーク運動の本来の姿—助け合いの理念と仕組み
ベルマーク運動はベルマーク教育助成財団がリードして1960年に始まり、65年以上の歴史を持つ活動である。
その 目的は二つある。
一つは「自分たちの学校づくり」、もう一つは「支援が必要な学校 への援助」だ。
「国内外のお友達に”愛の鐘”を鳴り響かせよう」という助け合いの理念が、 「ベル」の形に込められている。
仕組みはシンプルだ。協賛企業の商品に付いているマークを集め、財団に送 ると1点1円換算で「ベルマーク預金」となる。
この預金で、学校(PTA含む)は教育に必要な教材 や備品—屋内遊具、扇風機、パソコン、書籍などを協力会社からポイントと交換できる。
自校の備品だけではない。購入金額の10%が自動的にベルマーク教育助成財団に寄付され、へき地や特別支援学校、災害で被災した学校への支援に使われるらしい。
東日 本大震災や熊本地震の際にも大きな役割を果たし、これまでの支援総額は累計50億円 を超えるという。
本来は、日常の買い物の延長として気軽に参加できる支援活動という設計になっている。
では、なぜこれほど崇高な理念を持つベルマーク運動が、フリマでの売買という歪んだ形で現れる ようになったのか。
フリマでベルマークを買う人々—切実な事情
時間を買う—想像以上に重い仕分け作業
ベルマークは企業ごとにデザインや点数が異なる。
きれいに切り取り、会社 ごとに分けて、点数を集計する作業は想像以上に時間を要する。
素材も違うし、大きさも違う。丸まってしまったやつがあるし、余白の大きさも集めた人によって各自バラバラだから、想像するだけでもこれが大変な面倒だということが分かる。
多くのPTAで年間複数回(例えば年2〜3回、1回あたり3時間など)の仕分け・ 集計作業が行われ、保護者が平日に仕事を休んで参加するケースも珍しくないらし い。
女性役員に聞いた所、ウチの小学校でも同じことが行われているそうだ。
なんと、知らなかった。。。
ノルマ未達の責任—役員が背負う心理的圧力
調べるとさらに驚きの情報が出てきた。
ただ、この辺の話は掲示板やSNSなどから出てきたものであり、直接の当事者から聞いたわけではな く、真偽のほどは定かでないから、是非リアルな証言を頂きたい。
学校によっては年間目標点数が設定され、目標未達の場合、PTAの委員が不足 分を自腹で補填する慣例があるという信じがたい証言もある。
「集められない家庭に『もっと買って』と言えず、結局自分たちで穴埋めした」という声もあった。
善意の社会貢献という目的のための一つの「手段」だったはずのベル―ク集め。
しかし、ベルマークを集めることが「目的」になってしまい、足りないと役員が責任を負わされる圧力が存在するらしい。
その圧力こ そが、割高でもフリマで購入する動機となっているのだろう。
今や、昭和と違って、共働き世帯の比率が高まっている現代において、「時間=貴重なリソース」という認識が高まっている。
このベルマークを整理するという「時間泥棒」的な作業は、保護者にとって大きな負担となっている。
そこでベルマークの「点数」ではなく、整理に伴う労働「時間」を買うという選択をする人がいるというわけだ。
割高なベル マークの価値は「点数」ではなく、費やされる「時間」にあったのである。
家庭時間の防衛—コストを払ってでも回避したい苦行
「夕食作りや宿題サポートより、ベルマーク仕分けなんかを優先させたくない」と いう親心から、割高なフリマでの購入を「週末の家族時間を守る投資」と捉える考えが出てきていることが分かった。
数千円の出費で、1日がかりの苦行から解放されるなら—そう考える購入者の気持 ちは、決して理解できないものではない。
しかし、ちょっと待て。
ベルマークってそんな運動なんだろうか?
そもそもの所で、現金なのかベルマークなのかはともかく、PTAが学校の備品 を取得すること自体に問題があることは他の記事でも述べている。
もちろん、
「ベルマーク集め」は廃止します!
という選択肢もあるし、大きなトレンドがベルマーク廃止へ向かっていることも承知している。
しかし、「止めればいい!」そんなのはいつでもできる事だし、大して知恵のないPTA会長でもできることだ(声が大きければOKだから)。
ベルマークを廃止した会長を賞賛する記事がバズったという話を聞いたが、会長も賞賛する方もみんなおバカ同士である。
ここでは、「それでもベルマークを集めて備品を取得するという道を選ぶなら、こんなやり方が良 いんじゃないのか」という私自身にとっても、これから取り組む指針として考えてみたものであ る。
売買はなぜ問題なのか—ルールと理念の間で
まず、ベルマーク教育助成財団の公式ルールでは、過度な競争心や購買心の助長防止、運動の公平性を保つため、「ベルマークの売買・交換は認められません」ということになっている。
ベルマーク運動は協賛企業の商品購入を通じた間接支援を想定しており、現金取引は運動の根幹を揺るがす行為と見なされる。
フリマアプリ運営会社も、この公益的な趣旨に反する出品と判断し、ベルマークの出品を削除対象としているらしい。
そういう新聞記事があったのでここにもそう書いたが、実際には検索すると 冒頭に示した写真のようにゴロゴロ転がっている。
冒頭で書いた通り、メルカリでもヤフオクでも楽天フリマでも状況は変わらな い。
まあ、こういうプラットフォーマーは自分が責任を取る気は無いし、何かが売れれば手数料になるわけで、売れるなら何でもいいっていうのが本音のモラルゼロ企業だから、「不適切だから削除します」なんていうのはただのポーズだろう。
それはさておき、ここで論点を整理したい。
フリマでのベルマーク売買は少なくとも違法性はないが、ベルマーク教育助成財団のルール違反である。
問題は、ベルマークを集めることを「目的」とはき違え、このような歪んだ需要を生み出しているPTA側である。
そんな事を やっているから世にアンチPTAが量産されてしまうのだ。
真の問題—ベルマーク運動が”回らない”本当の理由
今回、私も初めて知ることになったのだが、各家庭から集められたベル マークは、会社別に仕分け、点数計算、整理袋への封入、そして財団への送付といっ た多岐にわたる手作業が必要になる。
当然手作業にならざるを得ず、これらの「労務 」が保護者やPTAにとって大きな負担となっている。
財団もこの「仕分けが面倒」という声を重要課題として認識しており、デジ タル化に向けた実験も行われている。
しかし、マークの種類や素材の多様さ、状態の 問題など、正確な読み取りの難しさから、全面的なデジタル化には多くの課題がある という。
まあ、それはそうだろう。
使用済みかどうかの判断ができないから、スマホ で読み取るって訳にもいかない。
この面倒くさい問題は切実だ。
一部の協賛企業が「PTA保護者の負担」を理由に運動から脱退するケースも発 生しており、ベルマークの活動基盤の縮小にもつながっているという。全く本末転倒の状況に陥っていると言わざるを得ない。
結論として言えるのは、フリマ売買は”モラルの問題”というより「運用が現 代の生活に合っていない」結果として発生する制度疲労のサインだということだ。
昭和の時代なら、ベルマーク整理を理由にヒマな奥様達が雑談に花を咲かせ ている面があったのだろう。
それなら、「みんなで楽しくおしゃべりしながらベルマークを整理するだけで、備品もゲットできる素晴らしい制度」ということだったんだと思うが、今やそんな社会状況ではない。
私は女性役員に素朴な意見をぶつけた。
「なんで子供達に整理してもらわないの?保護者はラクだし、子供はベルマークの価値が分かっていいことづくめよ」
私の提言に女性役員たちは戸惑っていた 。
戸惑っている理由は、簡単。
今までこんな ことはやっていなし、考えたこともない、前任者からも聞いてないからだ。
自分たちが集めて整理した ベルマークが 備品に変わる 。
こ の一連の流れを子供たちが直接体験できるなら、これに越したことはないだろう。
実際、私は小学生時代 ベルマークを集めるのは好きだったが それが その後どうなるの かなんて考えたこともなかった。
調べてみると子供たちにメルマークの整理をしてもらって成果を出している PTA もあるという 当然そうすべきである
集めるのは保護者、 整理するのは子供、何に交換するかは 保護者/子供/教員の話し合い 、これでいいんじゃないだろうか。
それをあえて、会社を休んでまで学校に集まり、集計作業をする理由はただ一つだけだ。
そう、分かるだろう。いつものアレだ。
「今までそうしてきたから」
「やめようとか、他のやり方でとか、考えたことも無いし」
PTA改革の核心—仕分け作業は児童に任せた方が筋が通る
ベルマーク財団も、子どもたちが主体的に活動する学校事例を紹介してお り、児童の参加を推奨している。ここからが、本当の意味での改革の提言である。
「無駄な作業」を「学び」に変換する教育的意義
児童がベルマークの仕分け作業に参加することは、ボランティア活動や社会貢献活動の一環として位置づけられる。
自分の行動が学校の備品購入、場合によってはへき地・被 災地の学校支援につながることを実感できるのだ。
実際に、子どもが回収箱の運営、 仕分け、啓発活動に積極的に関わる事例も報告されている。
子供達が整理をする中で より効率的な方法を自分たちで考えることにもなる。
複数人で役割分担しながら作業を進めることで、コミュニケーション能力や 対人スキルが向上し、他者と協力する大切さを学べる。
自分たちが集め、仕分けしたベ ルマークが実際に学校の役に立ったり、他校の支援につながったりする経験は、児童 の自己肯定感や達成感を高めるのではないだろうか。
ベルマーク活動を通じて、子どもたちは学校や地域のために貢献すること で、「自分も社会の一員である」という意識を育む。
これこそが、本来のベルマーク 運動が目指していた姿のはずだ。
実装イメージ—「労務」を「学習体験」へ転換する工夫
調べれば色んな工夫した取り組みをしている学校・PTAがあるとわかった。
回収箱を協賛会社別のポケットにして、回収段階から会社別に仕分けられる ように工夫することで、整理するという後工程の負担を軽減できる。ウォールポケット型や牛乳パッ ク製など、各学校で多様な工夫が見られる。
ベルマーク委員や環境委員はリーダシップをとって、児童が主体的に収集・ 仕分け・集計活動を行う。
近所の店舗や回覧板で協力を呼びかけたり、地域のお祭りでベル マークコーナーを設けたりするなど、地域ぐるみで活動に取り組むことで、学校と地 域のつながりを深める例もあるそうだ。
ベルマーク仕分けをゲーム化したり、親子イベントとして開催したりするこ とで、参加のハードルを下げ、楽しみながら取り組むこともできる。
もう一つの現実的解決策—ウェブベルマークという選択肢
共同アフィリエイトの仕組みで労務を削減
WEBベルマークは2013年に始まった新しいベルマーク運動の形であり、ネ ットショッピングを利用して学校支援のポイントを貯める仕組みである。
利用者はwebベルマークのサイトを経由して、協賛するオンラインショッ プ(2026年1月現在、多くはないがヤフーショッピングなどがある)で買い物をする。
これにより、利用者 の追加負担なく、購入金額の一部が協賛企業からウェブベルマーク協会に支払われ、 それがベルマーク点数として指定した学校に自動的に加算される。
実態としては、広告費(成果報酬)を原資に学校支援へ回す共同アフィリエイ トの仕組みである。
何が解決し、何が失われるのか
物理的なベルマークの切り取り、仕分け、集計といった手作業が一切不要と なるため、PTAの労務負担を大幅に軽減できる。
忙しい保護者でも、普段のネットシ ョッピングを通じて手軽に学校支援に参加できる。学校を指定してポイントを貯めら れる。
ただし、ウェブベルマークは万能ではない。デジタル化は便利である一方 で、学校と地域、保護者と子どものつながりという、これまでのベルマーク運動が持っていた側面が希薄になる可能性もある。
だからこそ、リアルなベルマークの回収・整理は児童主体に、追加分をウェブで上乗せす るというハイブリッド設計が最適解と考える。
「誰のための運動か?」を再定義する—ベルマーク改革の未来
このベルマーク 問題は PTA の前例踏襲という悪しき習慣の 典型的な表れだ と言える。
今までずっとこうしているからというだけの理由でやりたくないことを押し 付けられる。
私が子供達にベルマークの整理をさせればいい と提案したら、「そんなことした ら 環境委員の仕事がなくなる」と言われた。
これだ!
だったら無くしてしまえばいいのに、彼女にとっては「今まで通りを続けること」こそが正義なのだ。
もっといい方法はないのかと考えればできるはずなのに 、そもそも考える気 もないし、 言われたことだけを義務感でこなす。
それが自分の役割だと信じて疑わない。
再三、繰り返し述べていることだが
この思考停止した前例踏襲の慣習こそが世間にアンチPTAを生み出しているのだ。
フリマでベルマークが売買される現状は、ベルマーク運動の「制度疲労」と 「PTAの過剰な労務負担」が背景にあることを明らかにしている。
この問題の解決は、単に「売買の是非」を問うだけでなく、「誰のための運動なのか?」という本質に立ち返り、ベルマーク運動の再設計を考える機会である。
改めて整理すると、持続可能なベルマーク運動の未来を築くためには、以下のハイブリッドなアプローチが有効だ。
仕分け・集計作業は児童の学びとして再設計する。
教育的意義を明確にし、児童が回収・整理に主体的に参加できる仕組みを整える。
一方で、追加のおまけはウェブベルマーク(共 同アフィリエイト)で効率化する。これはもっぱら保護者の役割だ。
保護者の負担を軽減しつつ、より広範な支援を可能にする。
私は高校のPTAにも関わっていて、さすがに高校生にベルマークの整理はお願いしづらいので、ウェブベルマークだけでの参加を検討中だ。
ベルマーク運動は「謎の伝統を守るために親が疲弊する苦行」であってはならない。
「すべての子どもに等しく、豊かな環境の中で教育を受けさせたい」という 本来の目的に立ち返り、現代社会に合った形で進化していく必要がある。
メルカリに「ベルマーク」を出品する人がいなくなった時、PTAのベルマーク問題は解決したことになるのだろう。