PTA決算報告と会計監査を安心して乗り切るための初心者向け実務準備・手順完 全ガイド
この記事の対象者
- 年度末の決算報告を控え、何から準備すべきか不安な会計担当の方
- 会計監査役に指名され、チェックすべきポイントや責任の範囲を知りたい方
- 総会で自信を持って報告できる、透明性の高い資料作りを目指す役員の方
この記事でわかる事
- 単なる数字合わせを超えた、支出の「妥当性」を見極める監査の視点
- 通帳・帳簿・領収書の整理など、監査をスムーズに終わらせるための事前準備
- 監査報告書の書き方から総会での説明のコツ、次年度への引き継ぎ方法までの一連の流れ
PTA会計監査の目的とPTA決算報告の基本理解

PTA決算報告と会計監査の関係を整理する
PTA決算報告は1年間の収入と支出をまとめた「成績表」です。PTA会計監査は、そ の内容が正しいかを第三者が確認するプロセスです。両方そろって初めて、会員に安 心してもらえる会計になります。
会計担当者の役割については、PTA会計担当者の責任と立場も参考になります。
監査の目的は「信頼の証明」である
監査の目的は、会計担当を責めることではなく、PTA全体の信頼を証明することで す。お金が規約や総会承認の予算どおりに使われたかを確認し、PTA不正防止と健全 な運営をサポートする役割があります。
監査が形骸化すると、PTA会計不正が起こりやすい構造 が生まれてしまいます。
PTA監査項目で必ず見てほしい3つの視点
一般にPTAにおいて、基本の監査項目は、
①正確性(帳簿と通帳残高が正しく一致するか、領収書など証拠が全て揃っているか)
②網羅性(抜け漏れはないか)
の2点でしょう。
これは帳簿と領収書の数字が整合しているかを確認する作業であり、単純な数字合わせです。
しかし、監査を引き受けた方には是非お願いしたいことがあります。
それは3つめ ③妥当性(使い道が正しいか)の確認です。
つまり、ただの数字合わせに終始すること無く、PTAとしてこの支出は妥当なのか、言い換えれば保護者代表としてこの支出は賛成できるか、という視点で支出内容を見てほしいということです。
PTA組織では会長の意見が強く、独断専行で暴走し、資金使途を決めてしまう例が多々あります。私が知っている例だと、サプライズイベントと称して、職人による打ち上げ花火を実行した例や、ソフトボール同好会で高価な金属バットを購入した例があります。
もちろん、本人も悪意は無いのですが(悪いヤツは論外です)、会計担当者は反対できずに言われるがまま、支払ってしまうことがよくあります。
会計担当者にもブレーキ役としての自覚が欲しいのですが、それが機能しない場合に監査担当者は最後の砦になりますので、是非、妥当性まで確認する意識を持ってほしい所です。
規約・予算と付き合わせて妥当性を確認
支出が会則や細則、総会で決めた予算書に沿っているかを必ず確認します。
一般にPTA会計で予算をオーバーすることはないのですが、やむを得ず予算オーバーとなった場合にはその理由もしっかり確認しましょう。予算に無理があったのであれば、次年度の予算作成に反映させる必要があります。疑問があれば、会計担当者だけでなく、会長や前任者 に背景を聞き、今後の運営改善にもつなげます。
会計監査のコツ:第三者目線と質問の仕方
会計監査のコツは、先程も述べた通り「自分がお金を出した保護者だったら納得できるか」という第 三者目線で見ることです。
疑問点は責める言い方ではなく、「この処理の理由を教え てください」と聞き、事実を丁寧に確認します。
PTA会計監査を円滑に進める準備と監査項目
通帳残高と帳簿の一致を確認する
本部の会計担当者は監査前に、通帳と現金出納帳、収支台帳の残高を必ず一致させます。未精算の支出は速やかに精算します。
年度末を過ぎたら速やかに 通帳記帳を済ませ、最終残高に印をつけておくと親切です(期末の3/31に記帳データがないことはよくあることです)。繰越金が前年の決算報告書と整合しているかも合わせてチェックします。
領収書整理と番号付けで証憑を探しやすく
領収書整理は監査時間を短くする最大のポイントです。日付順や科目別にファイ ルし、帳簿の行番号と同じ通し番号を領収書に書きます。
余談ですが感熱紙のレシートはインクが消えてしまいがちなのでコピー を取り、金額や支払先を手書きで補足するとよいでしょう。
小口現金・預金の確認
監査担当用に、小口現金残高、預金残高、各委員会の支出一覧などをチェックリストにまとめます。どの金額がどの帳簿や証憑書類と対応するかをメモして おくと、PTA会計監査の理解がぐっと進みます。
監査を意識した会計資料一式を用意
監査報告書をイメージしながら、必要な資料をセットにします。決算書、 総勘定元帳、通帳コピー、領収書ファイル、予算書、規約などを一式そろえ、「これ を確認してください」と言える状態に整理しておきます。
PTA会計監査当日の段取りと時間配分
当日は、会計担当と監査、できれば会長か副会長も同席すると安心です。最初 に全体の流れと監査項目を共有し、現金確認→通帳・帳簿照合→領収書チェック、ヒアリングの順で 進めます。時間を決めて集中して行うと効率的です。
PTAの決算報告と監査報告
PTA総会報告で使う決算資料のセット
PTA総会報告では、決算報告書、予算との比較表、監査報告書の3点セットが基本 です。「どの活動にいくら使ったか」が明確になるよう工夫しましょう。
監査報告書の必須項目と書き方の例
監査報告書には、監査日、監査範囲、確認した帳簿・証憑、結果の所見を簡潔に 書きます。「一切の帳簿および証憑書類を照合した結果、適正であると認めました」 という定型文と、監査担当者の署名・捺印を入れます。
総会での決算・監査報告の話し方ポイント
総会では、細かい数字よりも「全体の流れ」と「大きな変化」を中心に説明しま す。私が会長になる前、単純に数字を読み上げるような、形式的で無意味な監査報告がされていましたが、取りやめにしました。監査担当者は、確認した監査項目と結果を簡潔に述べます。
ミスや修正が出たときの訂正と再監査の判断
誤字や科目の入れ違いなど軽いミスは、その場で修正し、議事録にも訂正内容を 残します。金額の不一致など大きな問題がある場合は、いったん決算承認を保留し、 再確認や再監査を行うなど慎重に対応します。
次年度への引き継ぎに活かす監査の気づき
監査で見つかった課題や改善点は、来年度の会計マニュアルや引き継ぎ資料に反 映します。領収書整理の方法や監査チェックリストなど、うまくいった工夫もメモに 残します。これがPTA会計監査の一番の成果になります。
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PTAの会計業務は、一度仕組みを整えれば、毎年の負担を大幅に軽減できます。仕組みの整え方が分からないなら、PTA会計の内情を知り尽くした私が開発したsmartPTAをお勧めします。
本 記事で紹介した監査準備や決算報告の手順を実践することで、透明性と信頼性の高い PTA運営が実現します。
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PTAが「負担」ではなく「やりがいのある活動」になるよう、私たちと一緒に改革 を進めていきましょう。